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相続について税理士に相談するべきタイミング

  • 文責:弁護士・税理士 小島 隆太郎
  • 最終更新日:2022年9月28日

1 相続税の申告について

⑴ 10か月の期限に注意

相続税の申告については、なるべく早く税理士に相談をされることをおすすめします。

相続について相続税の申告が必要な場合、基本的に、相続人は相続開始を知ってから10か月以内に申告をする必要があります。

この10か月という期間は余裕があるように見えますが、意外とすぐに期限が近づいてしまいます。

というのも、相続というのは人が人生で何度も経験するものではありませんから、必要な書類集めなどに慣れていらっしゃらないことが多く、気がついたら申告期限が近付いているということがしばしばあります。

また、実際に準備を始めても、相続人関係の資料の取得、相続財産関係の資料の取得などにはどうしても多くの時間がかかってしまいます。

そのため、場合によっては申告の期限に間に合わないというおそれもありますし、十分な検討ができていない状態で申告をせざるをえないというおそれもありえます。

⑵ 税理士への依頼もお早めに

この期限が近づいた状況で税理士に依頼をした場合、税理士としても限られた時間内で申告書類を準備する必要があるため、そのための加算料金を請求せざるをえないことにもなるため、相続人にとっても、本来は必要のなかった費用がかかってしまうことになってしまいます。

相続人の方にとっても、申告期限のぎりぎりの限られた時間内で必要な書類の収集や準備を依頼されることは、金銭的にも精神的にも大きな負担になるでしょう。

そのため、余裕を持って相続税申告の準備を進めるということが重要になりますので、なるべく早く税理士に相談をすべきといえます。

また、遺産の相続の内容が相続税の内容に大きく影響することがありますので、この点からも早めに税理士に相談をすべきだといえます。

遺産分割において、分割内容によっては、配偶者控除や小規模宅地等の特例などの制度を適用することができ、これによって相続税額が大きく異なることがあります。

ですが、相続税に関する知識がない状態で、相続人の間での遺産分割協議を進めてしまえば、結局、相続人全員にとって最も利益になる結果とはならないおそれが出てしまいます。

また、相続税を納付する必要があるにも関わらず、そのことを失念して不動産のみを相続した相続人がおり、その方が相続税を支払えないなどといった事態が生じた場合には、トラブルにもなりかねません。

そういった予想外の事態を防ぐためにも、予め相続税をいくらくらい負担することになるのかを想定して遺産分割協議を進めるべきだといえるでしょう。

相続税に関してもしっかりと検討した遺産分割協議の内容とするために、相続人間での話合いを進める前に、税理士に相談をしてから進めるのが望ましいといえます。

2 生前の対策について

生前に自らの相続対策をするうえでも、なるべく早く税理士に相談されることをおすすめします。

自らの相続においては、そもそも相続税がかかるのかどうか、相続税がかかるとしてどのくらいの税額になるのかを認識されていらっしゃらない方も多くおられますが、相続税を負担する相続人としては大きな関心事でしょうから、これに配慮した相続対策をしていただくことは必須だといえます。

自分の相続がいつ発生するのかは自分自身にも分からないでしょうから、なるべく早く対策を始めるべきだといえます。

ご本人の年齢が高くなってしまうと、相続対策としてできる手段が限られてしまったり、対策を取ることができてもその効果が限定的になってしまったりすることがあります。

たとえば、預金の一部を生命保険に回すという手段も、年齢が高ければ保険に加入ができないか、加入できたとしても加入できる保険の種類が限られてしまうということもあります。

また生前の贈与を有効に利用していただくためにも、なるべく長い期間を使って準備をしていただくことが重要なことがあります。

特に、あまりにも高齢になったときに相続税対策として無茶な方法を採ってしまうと、税務署から目を付けられてしまうおそれもありますので、注意しなければなりません。

そのような観点からすると、自身の生前対策をする場合にも、なるべく早めに税理士に相談をするべきだといえます。