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遺贈と死因贈与の違いは何ですか?

  • 文責:弁護士・税理士 小島 隆太郎
  • 最終更新日:2022年7月1日

1 遺贈とは

遺贈とは、遺言によって遺言者の財産の全部又は一部を無償で他に譲与することをいいます。

法律では、民法964条に定められています。

2 死因贈与とは

死因贈与とは、贈与者が死亡したときに効力を生じる贈与契約のことをいいます。

法律では、民法554条に定められています。

3 遺贈と死因贈与の違い

⑴ 大きな違い

遺贈は、贈る相手の同意が必要ない単独行為です。

死因贈与は、贈る相手の同意が必要な契約です。

この性質の違いから、遺贈と死因贈与では主に以下の3点が異なります。

⑵ 作ることのできる年齢

ア 遺贈の場合

遺贈は、遺言能力があれば作ることができます。

遺言能力は、15歳以上の者に認められます(民法961条)。

また、遺贈は単独行為ですので、相手の年齢は関係ありません。

イ 死因贈与の場合

死因贈与は、あくまでも「契約」ですので、贈る側は原則として成年に達している必要があります。

2022年4月1日以降は成年の年齢が18歳以上となりましたので(民法4条)、18歳以上であることが原則となります。

ただ、法定代理人の同意があれば未成年でも法律行為をすることができますので(民法5条)、死因贈与の場合は、親等の法定代理人の同意があれば、18歳以下でも行うことができます。

⑶ 方法

ア 遺贈の場合

遺贈は、あくまでも遺言ですので、自筆証書、公正証書又は秘密証書という書面で行わなければなりません(民法967条本文)。

イ 死因贈与の場合

死因贈与は、契約ですので、書面でも口頭でも行うことができます。

⑷ 検認の要否

ア 遺贈の場合

自筆証書遺言で作成されていた場合は、原則として、家庭裁判所での検認が必要となるのが原則です(民法1004条1項第1文)。

封がされている場合は、相続人や代理人の立会いが求められることになります(同条3項)。

なお、遺言書保管制度を利用して、法務局に自筆証書遺言を預けている場合は、検認は不要です。

イ 死因贈与の場合

死因贈与の場合は、検認は不要です。

4 その他の違い

その他にも細かな点や税金の観点など異なる点がありますので、利用を検討されている場合は、相続に詳しい弁護士に相談されることをお勧めします。