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相続手続きを専門家に依頼するメリットは何ですか?

  • 文責:弁護士・税理士 小島 隆太郎
  • 最終更新日:2023年3月13日

1 相続手続きの種類

相続手続きに明確な定義はありませんが、一般的には、被相続人がお亡くなりになったあとに生じる全般的な手続きを表す言葉として使われます。

具体的には、預貯金の解約・名義変更、不動産の相続登記、遺言がない場合には遺産分割協議(遺産分割協議書の作成)、遺産が多い場合には相続税の申告、被相続人の負債が多いなどの事情があれば相続放棄などが挙げられます。

2 専門家に依頼するメリット

前提として、相続手続きは、基本的には相続人ご本人様で行うことができます。

もっとも、次の理由から、相続手続きは専門家に依頼することをお勧めします。

まず、大半の相続手続きにおいて、戸籍謄本類の収集(被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍、相続人の現在の戸籍)が必要になります。

特に大変なのは、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍の収集です。

通常、被相続人の死亡の記載のある戸籍から遡って取得するのですが、被相続人が転籍をしていた場合、遠く離れた自治体に対して郵送等で戸籍請求をする必要があります。

法定相続情報一覧図を作成する前提としても、戸籍謄本類の収集は必要になります。

遺産分割協議書は、法務局での不動産の相続登記や、金融機関での預金解約・名義変更に応じてもらえるように書く必要があります。

相続登記の際は、登記申請書に所定の事項を記載する必要がありますし、登録免許税等についての特例の適用要件を検討する必要があることもあります。

さらに、相続税申告が必要な場合には、申告漏れがあってはいけないので、みなし相続財産も含め厳格に相続財産の調査を行う必要があるほか、相続税申告特有の財産評価をする必要があります。

相続財産の評価は非常に複雑であり、適正な評価ができていないと、相続税を払いすぎてしまうこともあり得ます。

また、相続放棄をすべき状況である場合、原則的には、相続の開始を知ってから3か月以内に必要書類を揃えて、管轄の家庭裁判所に対して相続放棄の申述を行う必要があります。

短期間で手続きを行わなければならないため、専門家でない方が行うことは簡単ではありません。

このように、相続手続きには手間や労力がかかるうえ、適切な判断を行わなければならない場面もありますので、このような手続きに慣れている専門家に依頼するメリットがあるといえます。