京橋駅の弁護士一覧

実は、法律にはとても多くの分野が存在するため、ひとりの弁護士があらゆる法律分野に精通するということは、現実的には困難であるといえます。

相続分野に関しても同じことが言え、相続を取り扱うことができる弁護士だからといっても、必ずしも相続分野に精通しているとは限りません。

取扱うことができる分野として相続を掲げているとしても、いくつも受任している事件のうちのひとつとして相続に関する事件を扱っているに過ぎず、相続分野の事件を重点的、集中的に扱っているわけではないということが多いです。

そのため、一般的には、幅広い分野を取り扱っている弁護士ほど、相続の分野の事件の取り扱い経験は、相対的には少なくなっていく傾向にあると考えられます。

相続に関する相談をする弁護士を探す際には、相続分野を取り扱っていることは前提となりますが、相続に関する知識や経験、ノウハウを豊富に持っている弁護士を選ぶことが重要です。

ひとことで相続といっても、実務上検討すべき事項はかなり広い範囲に及びます。

代表的なものとしては、土地・株式の価値の評価や、遺言者・相続人の認知能力の有無の判断、遺言書に書かれた文言の解釈、遺産分割協議書の作成、裁判所における遺産分割調停・審判、遺留分侵害額請求、相続放棄などが挙げられます。

そしてこれらは、相続分野に関する経験が豊富な弁護士でないと、適切な処理が難しいことがあります。

例えば、遺産分割協議書は、財産や相続人に関する情報を正確に記載しないと、不動産の相続登記の際に法務局が応じてくれないことや、預金口座の名義変更・解約の際に金融機関が応じてくれないという可能性もあります。

また、土地の評価方法はたくさん存在するため、どのような評価方法を選択するかによって土地の評価額は大きく変わります。

事案に応じて適切な評価ができる弁護士が遺産分割協議の代理人になった場合、代償金として受け取ることができる金額が増加することもあります。

そのほか、相続放棄の手続きは、原則的に一回しか行うことができないため、失敗が許されません。

被相続人の死亡後３か月以上経過しているような例外的な事案においては、相続放棄を裁判所に認めてもらうため、しっかりと事情を説明した書面を作成し、相続放棄申述の際に裁判所に提出するなどの対応が必要となることもあります。

相続に強い弁護士を探すためのポイントのひとつとして、今まで取り扱ってきた相続分野の案件の数が挙げられます。

相続分野に関する事案は、遺言者や被相続人の財産の状況や、親族の事情等によって全く異なります。

そのため、相続分野の案件の取扱件数が多いほど、例外的なケースや困難な場面への対応の経験が積まれ、ノウハウが蓄積されていきます。

このようにして、どれだけ多くの相続分野の経験を積んできたかが、弁護士の力量に大きな影響を与えます。

そこで、相続分野に強い弁護士を探す際には、相続に関する案件を重点的・集中的に扱っているのかどうか、いつくかある取扱分野の中で相続に関する事件はどのくらい扱っているのか、これまでの相続分野に関する案件の解決件数はどのくらいであるか等に注目するとよいでしょう。